「あなたを捨てはしない」 02.05.05
ホセア11:1〜11、Uコリント4:8〜10
預言者ホセアの生涯には、驚かされます。
ホセアが初めに聞いた神の言葉は、異教の神殿の娼婦をめとるようにとの
命令でした。彼はそれに従い結婚し、3人の子供を得ます。
ところがしばらくすると、妻は彼のもとを離れ、再び神殿の娼婦となります。
神は彼に「その妻を愛し、再び迎え入れよ」とおっしゃいます。
彼は、妻を神殿娼婦の立場から買い戻す代金を支払い、妻を迎え入れました。
「ホセアの真似は絶対にできない。」そのように私たちは考えます。
受け入れ難いように思える神のご命令であっても忠実に従った姿や、
何があっても人を愛し抜く姿を見て、ホセアのようになりたいと願います。
それを目指すことは尊いことです。
しかし、ホセアのようにはなれない自分の姿に出会うことでしょう。
神は、私たちがホセアのようになることを願うよりも、私たちが神さまの
御愛に気付くことを願っておられます。
ホセアに自分の身を重ねるよりも、ホセアの妻に自分の身を重ねてみよ。
そして神に愛し抜かれている自分に気づきなさいと、神は願っておられます。
淫行とは、聖書ではしばしば神さま以外のものと結びついて生きる人の姿を
指します。神に背き生きる者の姿です。
そして、神に迎え入れられながらも、愚かにもそこから離れ去って生きようと
するのが、ホセアの妻と重なる私たちの姿です。
神以外のところに身を置き、心も体もずたずたにされ、罪と死の奴隷の
ようなところに進むのが人の悲しい姿です。
そんな人間を、なお愛し、<激しく心を動かされ、憐れみに胸をやかれる>と
おっしゃってくださり、迎え入れるために行動してくださるのが神です。
私たちには真似できないかもしれません。
しかし、<わたしは神であって、人間ではない>とおっしゃる神は、
それを成し遂げてくださいます。
ホセアは支払いをして妻を買い戻します。
神はその独り子イエスの十字架の血潮によって、罪と滅びからわたしたちを
買い戻し、御下に迎え入れてくださったのです。